20代の頃の話ですが、会社帰りの暗い夜道を歩いていた時、突然草むらから
飛び出してきた男に道をふさがれました。道の両側は畑と林。真っ暗で
顔も見えません。私は怖くて、今来た道を全速力で走りました。
途中に一軒家があったので、助けを求めに飛び込みました。
「スミマセーン !! 電話貸してくださーい!!」
何回叫んでも返事がありません。らちがあかないので、
「スミマセーン !! おじゃましまーす !!」
廊下に上がって中をのぞくと、部屋には中年のおじさんがステテコ姿で一人で大の
字になって寝ていました。テーブルの上には飲みかけのビールと枝豆のカラ。
テレビもつけっぱなし。
「おじさん、起きてください !!」
と呼んでもグーグーと高いびき。仕方がないので、勝手ながら部屋の隅にあった
電話を借り、弟に迎えを頼みました。弟が来るまでその家で待たせてもらいましたが、
おじさんは全く起きそうにないので、テーブルの上に電話代十円を置いてきました。
目が覚めたおじさんは十円を見て???と思ったかもしれませんが。
家族の者たちからは、おじさん一人の家の中にいる方が痴漢よりずっと
危ないと言われてしまいましたが、私にとっては命の恩人でした。
あれから30年。最近は物騒な事件も多く、当時より悪質化してきていますね。
お互い、年齢に関係なく暗い夜道に気をつけましょう !!