新春を寿ぐ晴天に恵まれていますね。
喪中のため、お祝詞を欠礼させていただきます。
昨年12月17日に私の父が亡くなりました。 大正12年生まれの85歳でした。
父は終戦後の混乱した時代に、経済的にもとても苦しい中を、母と二人で力を
合わせて私たち4人の子どもを育ててくれました。 とても家族思いの父で、楽しい
思い出を沢山残してくれました。
特に小さかった頃のことは生涯忘れられないことでしょう。
夏は潮干狩りや海水浴、家の庭には朝顔やヘチマの苗を沢山植えて、緑のカーテンを
作ってくれました。 春になると母が作ってくれたお弁当を持って、家族そろって
豊島園へハイキングです。 雨の降る日には駅前の映画館によく映画を観に
連れて行ってくれました。
冬、雪が降ると、雪だるまや雪うさぎ、雪のすべり台を作ってくれるのです。
クリスマスにはキラキラ光るクリスマスツリーを作ってくれました。
このツリーは実は花屋さんで買ったモミの木ではなく、線路脇の杉の木の枝を
切ってきて、白ペンキでレンガ模様を描いた素焼きの植木鉢に挿した質素な
手作りだったということを、大人になってから知りました。子どもたちの目には
豪華なツリーに見えたものです。
貧しくても心豊かな工夫をしながら子どもたちを育ててくれた父に、
只々感謝で一杯です。
優しくて、働き者だった父をとても誇りに思います。
お父さんの子どもで本当によかった。
生まれ変わっても、またお父さんの子どもになりたい、と最後に声をかけました。
平和の和に、楽しいと書いた「和楽」という言葉が大好きだった父。
この言葉を心の真ん中に置いて人生を生きていきたい、そして父に安心をして
もらいたいと思います。